コラム
5+2=?
2019.10.1117:47
カテゴリー:決算書
「りんご5個とみかん2個、あわせて果物は何個でしょう?」
バカにしているのかと思われそうですが、答えは7個ですね。
計算式は5個+2個=7個。
では、「りんご5個とみかんジュース2リットル」を足すと?
おそらく、誰も答えられないでしょう。
足し算は、それぞれの「単位」が違うと計算不可能です。 「りんご1個20円、みかんジュース1リットル100円です。 あわせていくらでしょう?」
20円×5個+100円×2L=300円 「円」という共通の「単位」を持つことによって、計算することができました!
決算書の話をしましょう。 日本の会社の決算書は、「円」「千円」「百万円」という単位を揃えたもので書かれています。
単位を揃えたがゆえ、決算書というもので、会社の営業成績や財産の状態が把握できるようになります。
一方で、単位を揃えたがために消えてしまった情報もたくさんあります。
社員が何人か、どういう商品を何個持っているか、お客は何人か、チラシは何枚配ったのか、営業は何件訪問したのか。
こういう情報は、決算書には載ってきません。
「単位」は何なのか?そしてその裏には何が隠されているのか?
量では測れない定性的情報もあります。
あらゆる情報とうまく付き合っていきたいものです。
「生産性」を考える
2019.07.1209:59
『労働生産性を上げる。』
働き方改革の旗印のもと、「生産性の向上」というキーワードをあちこちで聞くようになってきた。
しかし、生産性を上げるとはどういうことか、どういう良いことがあるのか?
この部分をないがしろにして生産性を上げることに意識を向けても意味がない。
ざっくりいうと、
「生産性」=「産出(アウトプット)」÷「投入(インプット)」
の式であらわされる比率の話である。
「産出」とは、「生産量(個数・重さ・大きさ)」という物量であったり、
「売上額」「付加価値額(粗利益額)」という金額であったりする。
「投入」とは、「人」であったり、「機械などの設備」であったり、
「労働時間」であったり、企業が持っている『資源(リソース)』が基準になる。
つまり、どういう単位で持って、生産性を測るのかによって、その意味も変わってくる。
ランチェスター戦略を勉強している人ならおなじみの「1人当たり粗利益額」の指標は、
『粗利益額(付加価値)÷従業員数(人)』なので、生産性をあらわす一つの指標であるといえる。
1つの指標ではあるが、例えば、人間のやっている仕事を機械・ロボットにシフトしたらどうであろうか?
労働者・労働時間の減少に伴い、「労働生産性」は、確かに向上するが、
「設備投資1単位当たりの生産性(資本生産性という)」は落ちる。
つまり投下する資金が人から機械にシフトしただけである。
やはり、投入できる資源の限られている零細企業においては、量を投入しないで付加価値額を上げる方法しかない。
比率をいくら良くしたところで、額が足りなければ意味がない。
額のアップの方法は、やはり効率性ではなく、
効果性を追求するランチェスター戦略のとくに「弱者の戦略」。
「差別化戦略」
↓
「限られた市場の中でのシェアUP ⇒ シェア1位 」
↓
「利益の集中」
↓
「新たな限られた市場へ資源の投入」
の手順を踏むしかないのだと改めて思う。
零和(ゼロサム)
2019.05.1619:37
新元号「令和(れいわ)」にちなんで、漢字が違いますが、「零和(れいわ=ゼロサム)」について書いてみたいと思います。
「零和(ゼロサム)」とは、「複数の人が相互に影響し合う状況の中で、全員の利得の総和が常にゼロになること」をいいます。
合理的・戦略的意思決定理論として経済学や経営学などで応用されることで知られる「ゲーム理論」の中でも取り上げられ、
麻雀や将棋、競馬などのギャンブルやFX(外国為替取引)は、『参加者の得失点の総和(サム)がゼロになる』ということで「ゼロサムゲーム」であるとされています。
資本主義における経済活動も限られた資源(お金)を奪い合うゲームと考えると、
20%の勝ち組と80%の負け組の総和がゼロになる「ゼロサムゲーム」と考えることもできますが、果たしてそうでしょうか?
資源(お金)の奪い合いと考えてしまえば確かにそうですが、競争を通じ、企業間でお互い切磋琢磨することによって、
新たな「価値」が創造され、その生み出された「価値」がこの世に残されていきます。
人類の進化成長もライバルとの「自由競争」があるからと考えてみてはどうでしょうか。
もちろん経営においては、勝ち組でありたいので、戦略を学ぶわけですが、勝ったあかつきには、負け組に感謝する気持ちも必要かもしれませんね。
そして感謝の行為の一つとして、「納税」というものがあると考えると、税との付きあい方も変わるかもしれません。
粗利益をデザインする
2019.03.0201:54
毎期決算を終えると、税理士と社長との決算報告会の中で「利益率をあと3%アップさせないと・・・」「原価率をもっと下げて外注費を削って・・・」と、こんな会話が飛び交います。
決算書に載っている「売上高」や「粗利益(売上総利益)」は、単なる1年間の合計です。これを眺めていたところで、会社の将来は見えてきません。決算書は、税務署や銀行のために作るものと考えるべきです。
ごく当たり前のことなのですが、決算書の売上高には、「何が」「いくつ」売れたのか?の情報は、一切出てきません。この当たり前のことが忘れ去られてしまって、やれ原価率はどうだの無駄使いはやめろなど、経営にとってあまり意味のない議論を税理士と経営者とでしています。
「質を磨くこと」=「売上単価UP」、「量を増やすこと」=「売上個数UP」。
ランチェスター戦略を学んでいる皆さんならお分かりですが、粗利益も売上高も、「質」と「量」の話です。
ライバルとの関係において、「質を高めるのか?」「量を高めるのか?」その一点です。
経営を「質」と「量」とに分解して考えていきましょう。
つまり、 弱者の戦略=「質(差別化)」、 強者の戦略=「量(ミート)」
の追及ですね。
ランチェスター戦略の考え方と売上・粗利益の「質」と「量」への「分解」・「組立」は非常に相性がいいものであります。
少なくても大きな積み木を積み上げるか? 小さな積み木をたくさん積み上げるか?
戦略的経営を行うことにより、「粗利益」を分解と組立てで「デザイン」しましょう!
このはずくサイトを公開しました
2019.01.2917:03
カテゴリー:コラム
クリエイター専門税理士によるコラムを更新していきます。
お楽しみにしてください。