コラム
エビングハウス
2024.12.0515:25
カテゴリー:コラム
ヘルマン・エビングハウスというドイツの心理学者を御存じでしょうか?
「エビングハウスの忘却曲線」というものは、聞いたことがあるかと思います。「人間の記憶は、1日で74%を忘れてしまうが、早期に復習をすることによって、記憶力を定着することができる」といったものです。
エビングハウスのもう一つ有名なものとして、「エビングハウス錯視」といったものがあります(↑画像参照)。この画像を見て、ランチェスター戦略の「1位の効果」には、顧客の心理的要因も多分にあるなと思いました。つまり、大きなものに囲まれたシェア下位の企業と、小さなものの上に立つシェア1位企業の顧客からの見え方の心理的効果です。真ん中のりんごの大きさは、どちらも同じなのですが、左の小さなものの上に立つ1位企業は、質量とも充実していると錯覚する効果です。ランチェスター戦略は、ライバルとの関係性を意識した相対的な競争戦略論であります。
競争の世界において、「鶏口牛後」や「鯛の尾より鰯の頭」といった故事成語やことわざにあるように、狭いカテゴリの中で強者を目指すことがいかに大事かを「エビングハウス錯視」からも感じることができます。ライバルとの関係性を常に意識して、企業経営をコントロールしていきましょう。