コラム

バランスシート

2023.03.2714:02

カテゴリー:コラム

バランスシート

会計用語で「貸借対照表」を英語では、「バランスシート(Balance sheet)」といいます。<略してB/S>
では、このバランスシートの語源は、表の左と右が一致する(均衡している)からバランスシートとなったのでしょうか?
私も知らなかったのですが、ほとんどの会計人が誤解していると思います。Balanceを辞書で引いてみると、「均衡」の意味のほかに「残高」という意味がもともと英語の中にあるのです。

つまり、バランスシート(B/S)とは、左と右が均衡しているという意味ではなく、「残高表」を意味しています。
すなわち、正しい「貸借対照表」の意味は、「ある一定時点における資産と負債の残高を表にしたもの」だということです。
中国では、「貸借対照表」の「資産負債表」と言うそうです。
ここに「資本」という言葉はありません。

このことからわかること。「貸借対照表」の「資産」「負債」「資本」のうちの「資本」とは、単なる差額だということ。
反論もあるかもしれませんが、「資本の部=自己資本」とは、『単なる差額の概念で実体のないもの』であるということです。
「自己資本」=「企業の貯蓄」という捉え方をしていないでしょうか? まずは、「資産」が何で、「負債」が何かをよくよく見ていく必要がありそうですね。
「自己資本比率が低いと融資できません」「自己資本を投資に回して経済を活性化させる」など、「自己資本」という言葉が良く使われますが、果たして「自己資本」とは何なのか?

もう一度原点に立ち返って、考えなければいけないと反省させられた気づきでした。