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決算書分析考察

2022.11.0411:35

カテゴリー:コラム決算書

決算書分析考察

決算書分析とは、生産性・安全性・収益性などの項目別に経営状況を分析する方法です。

会計ソフトなどで必要な設定をすれば、今や勝手に分析表を作ってくれます。私は、仕事柄、昔から社長とのコミュニケーションツールとして、決算書報告とともによく利用していましたが、この話をしても、どうもコミュニケーションがかみ合わないなと感じて最近はあまり利用していません。コミュニケーションがかみ合わない原因は、いくつか考えられるのですが、一番の原因は、税務署と銀行のために作られた決算書が経営の未来を考えるにあたっての情報があまりにも不足していること、経営情報がゆがめられていることが原因と考えられます。

例えば、「棚卸資産回転率」という比率があります。この比率は高い方がいいですか? 低い方がいいですか?

棚卸資産回転率 = 売上高 ÷ 期末の棚卸資産

で求められ、「棚卸資産」が1年で何回転したかという意味です。税理士は、この回転率が悪いから、在庫を減らせというでしょうね。果たしてそうでしょうか?

在庫は、将来的に売上になるものです。それが少なければいいって本当ですか?そもそも在庫は、自分で正確に計算していますか?自己資本比率は、高い方がいい?低い方がいい?銀行は、高い方がいいと言うでしょうが、稼いだ利益が未来への投資や社員の給与や・株主に回っていないということを意味するのかもしれません。

「経常利益率は10%が良い」と○○さんが言ってますが、本当ですか?業種ごとに売上高に対する比率は、違いがありそうですが。銀行・コンサル・税理士の言うことを鵜呑みにせずに、まずは、その比率がどうやって導き出されているのかを質問してみて下さい。

「戦略」も「分析」もどうやら自らで考える力をつけるという訓練が必要な様です。