コラム

時は人なり

2026.10.2009:40

カテゴリー:コラム

時は人なり

最近どこを向いても「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が躍っています。動画は倍速、ビジネスは生産性向上、効率化。さらに今では、生成AIを活用してあらゆる作業を「時間短縮」することが正義とされています。ボタン一つで、数秒後にはそれらしい答えが返ってくる。これほど便利な時代はありません。しかし、「すべてを時短して、本当に人は育つのか」と疑問に思うこともあります。

AIは便利な道具です。作業目的を達成するために、瞬時に必要な結果が得られます。ただそこに至るための迷いや悩み、創意工夫や試行錯誤といった過程はありません。自分の頭で考えるという時間がどんどん奪われていきます。人の成長は、寄り道による発見、失敗からの経験、苦労して手に入れたからこその喜び、こうしたものと引き換えに得られるものだと思います。

どれだけAIが発展していったとしても、それはAI技術の成長であって、人の成長はどんどん鈍化していくように思われます。時間とは、単なる「消費する数字」ではなく、私たちの「人生そのもの」です。だからこそ私は、これからの時代こそ「時は金なり」ではなく、「時は人なり」という言葉を胸に刻みたいと思います。その人が時間をどう使っているか、何に時間をかけているか。そこに、その人の人間性や生き方がそのまま現れるからです。

AIに任せられる効率的な仕事は、AIに任せればいい。しかし、それによって生まれた「余白」は、「人生」に投資をしていきたいです。最近どこを向いても「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が躍っています。動画は倍速、ビジネスは生鮮性向上、効率化。さらに今では、生成AIを活用してあらゆる作業を「時間短縮」することが正義とされています。ボタン一つで、数秒後にはそれらしい答えが返ってくる。これほど便利な時代はありません。

しかし、「すべてを時短して、本当に人は育つのか」と疑問に思うこともあります。 AIは便利な道具です。作業目的を達成するために、瞬時に必要な結果が得られます。ただそこに至るための迷いや悩み、創意工夫や試行錯誤といった過程はありません。自分の頭で考えるという時間がどんどん奪われていきます。人の成長は、寄り道による発見、失敗からの経験、苦労して手に入れたからこその喜び、こうしたものと引き換えに得られるものだと思います。

どれだけAIが発展していったとしても、それはAI技術の成長であって、人の成長はどんどん鈍化していくように思われます。時間とは、単なる「消費する数字」ではなく、私たちの「人生そのもの」です。だからこそ私は、これからの時代こそ「時は金なり」ではなく、「時は人なり」という言葉を胸に刻みたいと思います。その人が時間をどう使っているか、何に時間をかけているか。そこに、その人の人間性や生き方がそのまま現れるからです。

AIに任せられる効率的な仕事は、AIに任せればいい。しかし、それによって生まれた「余白」は、「人生」に投資をしていきたいです。

AIと勝負

2026.06.0309:59

カテゴリー:コラム

AIと勝負

私は囲碁というマイナーな趣味があります。今はネット上で相手を探し、直ぐに世界中の誰とでも対戦が出来るようになりました。先日、人間ではなくAIと対戦出来るサイトを見つけ、一局打ってみました。

ネット上では、2段の棋力で打っているので、同じ段位設定で打ってみました。序盤は、定石といって、だいたいの進行手順は決まっています。ところが今まで見たこともない手のオンパレードです。AIが入ってきたところで、プロ棋士が打つような昔の古い定石も今は変わってきているようでした。なんとか中盤まで形勢有利で進んでいきます。ところが、たった一手の着手ミスで形勢が逆転し、結局ボロボロに負けてしまいました。

この後何局か対戦しましたが、全て同じ結果です。AIは全くミスをしません。相手が悩みため息をつきながら長考する事もしません。世間話をしながら、打つこともありません。途中で無理と判断した場合、囲碁の対局マナーとして「参りました」とお辞儀をして投了するのですが、AIは絶対しません。最後の最後まで相手のミスを狙ってきます。品格の欠片もありません。

勝っても負けても人間と勝負したほうが楽しいです。この視点は、ビジネスにおいても同じだと思います。ただ勝てば良いのか?

美しく格好良くありたいですね。

経営者的視点からの日本経済

2026.03.0216:50

カテゴリー:コラム

経営者的視点からの日本経済

今、日本は国政選挙の真っ只中です。消費税減税、社会保険料の削減、移民問題……。各党が掲げるスローガンは耳に心地よく、一見、私たちの生活を直接救ってくれるように見えます。しかし、マクロ経済の視点から見れば、どの政策も「すでにあるパイをどう分けるか」という分配の議論に終始しており、日本経済の「根っこ」にある課題には触れていないように感じます。
日本は30年近く、デフレ状態に陥っていました。

企業的視点から行くと、「安売りはお客に喜ばれる=善」の状態が続いていました。しかし、経済学でいう「付加価値」とか「売上―原価」です。安売りは、自ら「付加価値」を削り、安売りに耐えうるためのコストカットは、人件費を削り、設備投資や消費を押し下げます。
公定歩合という言葉が死語になりかけた長い停滞を経て、ようやく『金利のある世界』への回帰が始まりました。ラーメン1杯の値段もようやく1000円の壁を突破し始めました。

まずは、適材適所で、無用な「安売り合戦」を避ける。
長年続いた『安売りは善』という呪縛を解きましょう。
ランチェスター戦略が教えるのは、小さな「強者」が生き残るための視点があります。「価格競争体質」ではなく、「価値競争」の視点があります。
中小零細企業も、日本経済を支える重要な役割を持っています。
経営者の値決めは、社会への宣言でもあります。
「あなたの会社の値下げは、自ら価値を下げている。」
「あなたの会社の値下げは、仕入先の売上を削っている」
「あなたの会社の値下げは、誰かの給料を削っている。」

経営者が『適正な価格』を貫く勇気を持つこと。それこそが、政策以上に日本を救うマクロ経済の特効薬だと思います。

日本の教育について思う

2025.12.0909:50

カテゴリー:コラム

日本の教育について思う

再三コラムで書いていますが、小・中・高・大学生に向けて、税金・経営・お金・経済に関する話をする機会を得ています。学校では、あまり教えてくれない内容を選んでは、授業をしています。

世の中は、103万の壁、130万の壁、160万の壁などといろいろと議論されているところですが、とにかく仕組みが分かりづらい。そして、現場にいるとわかるのですが、すべての国民に正しくその税法の決まりが当てはめられているかというと、きわめて怪しい?!(全員がチェックされていない)制度の複雑さに振り回され、国民も現場も追いついてない様です。「103万の壁」の計算式を正しく、理解している国民がどれだけいるでしょうか?

給与所得=収入金額「103万」-給与所得控除55万=48万
所得税の計算は、各種所得の合計48万-基礎控除48万=ゼロで、税金がかかりません。これが、
給与所得=収入金額「160万」-給与所得控除65万=95万
所得税の計算は、各種所得の合計95万-基礎控除95万=ゼロ
に改正されます。紙面の都合上、これが限界(笑)

わかりやすく、説明しようにも、収入と所得の違い、給与所得、事業所得、株や土地の譲渡所得などとの違いなど、言葉の定義や計算式をすべて説明しないと伝えきれません。戦後GHQにより導入された年末調整や源泉徴収制度は、国民に税金の興味関心を持たせないためなのかもしれません。

法制度の簡素化はもちろんですが、正しい知識を持ち、正しい判断ができる子供たちを育てることが、教育の現場で必要ではないでしょうか。

「語彙力」の強化

2025.08.0113:21

カテゴリー:コラム

「語彙力」の強化

とある学校の通信教育で、語学教育の一コマを担当する機会を得ました。今回は、語彙力を伸ばすというテーマで取り組んでみました。「語彙力がある」とは、いったいどういうことなのでしょうか?次の2つの力だと思います。

① たくさんの言葉を知っていて、読んだり聞いたりして意味がわかること(=インプットされた語彙の量)
② それらの言葉を、自分の会話や文章の中で自在に使いこなせること(=アウトプットできる語彙の量)

授業では、「カタカナーシ」というカードゲームを使いました。与えられた「カタカナ語」のお題を、英語・カタカナを一切使わずに説明して、誰かに当ててもらうというシンプルなルールです。ゲームを通して、ただ言葉を知っているだけではなく、「相手に伝わるように工夫して説明する力」こそが、語彙力の核心だと感じました。最近は「エビデンス」「アジェンダ」「スキーム」など、横文字、カタカナが氾濫しています。その言葉、本当に意味を理解していますか?その言葉、きちんと相手に誤解なく伝えられているでしょうか?「意味が分かる(理解した)」と「説明できる」に間には、大きな壁があります。語彙力は、使ってこそ、磨かれる。

そして、それはゲームのような遊びの中でも、十分に鍛えられます。